荒廃した世界を見下ろしながら、アキラは街の廃墟をゆっくりと歩いていた。ビルの影から影へと移動する彼の目には、かつての繁栄がどれほど遠い昔のものかが痛いほど映っていた。
アキラは知っていた。この世界が壊滅の危機に瀕しているのは、死者たちの怨念がこの世に溢れ、その悪念のバイブレーションがすべての人の深層意識を動かしているためだということを。人々はますます衝動的で、闘争的で、反道徳的になっていた。そしてその結果、自分たち自身を滅ぼそうとしている。
彼が立ち止まったのは、かつての家庭が崩壊し、今や瓦礫と化した家の前だった。家庭の温もりや愛情の欠片も感じられない場所で、アキラは心の中でつぶやいた。「このままでは、私たちは自分自身を滅ぼしてしまう。」
それは全て、苦しみに満ちた死者の霊魂が安らぎを得ることができず、現世に怨念を残しているからだった。彼らが救われない限り、生きている人々に真の安らぎは訪れないのだ。
だが、希望が完全に失われたわけではない。仏陀釈尊の成仏法が、この苦しみを持ったまま死後生存している霊魂たちに安らぎを与え、救済する力を持っていると信じられている。アキラはその力を探し求め、かつての師の教えを胸に秘めて旅を続けていた。
「成仏法さえ見つけることができれば、霊魂たちに安らぎを与え、この世に平和を取り戻せるかもしれない。」彼の目には一筋の希望の光が宿っていた。
アキラは再び歩き出し、廃墟の街の中を進んでいった。彼の旅は困難を極めるものだったが、その先にある希望のために、彼は決して諦めることはなかった。
