ホリスティック健康学について

ホリスティック医学とホリスティック健康学について

人体に備わっている健康維持のためのシステム

私たちの身体は―「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」「免疫システム」「自然治癒力」という3つの生体システムによって、健康が維持されるようになっています。こうした強力な生体維持システムがある以上、本当は私たちの身体は、めったなことでは深刻な病気にならないようになっています。よほど間違った生活をしないかぎり、健康的に一生を過ごせるようになっているのです。

よく手入れされた自動車は長い間、快適性を保って走ることができますが、人間の身体はそれ以上に、生体システムによって調和を保ち、健全に生きていくことができるようにつくられているのです。

深刻な生体システムの機能低下・・・多くの現代人の実情

私たちのまわりを見渡すと、多くの人々が深刻な病気で苦しんでいます。病気をもっていない人の方がむしろ珍しいというような現実が展開しています。大半の人々は、年を取れば病気になるものと思っていますが、本当は決してそういうものではありません。現在では、ガン・心臓病・脳卒中といった病気によって、国民のおよそ3分の2が死に至っています。病気をせずに長寿を全うし、老衰で死ぬといった人は稀なことになっています。本来、人間は健康であるようにつくられているはずなのに、どうして、これほど異常な事態を生み出してしまっているのでしょうか。

その原因は―「長期にわたって極端に間違った身体の使い方をしてきた」「限度を超えて有害なものを摂り続けてきた」、あるいは「健康維持のために不可欠なものを根本的に欠落させてきた」―このいずれかにあります。こうした自然に反した要因を積み重ねることによって、せっかく与えられている素晴らしい生体システムの機能を低下させ、病気になってしまうのです。完璧ともいえる健康維持システムが十分な働きをすることができなくなったために、病気が蔓延するという異常な事態を引き起こしているのです。

肝心なのは遺伝子ではなく「後天的要因」

現代医学は、遺伝子診断とか遺伝子治療といった方向に向かおうとしていますが、現代人の大半の病気は、遺伝子それ自体によって引き起こされるようなものではないのです。遺伝子診断における病気発生の可能性に惑わされるべきではありません。先天的に受け継いだ遺伝子以上に、私たちの健康を左右する決定的な要因があるのです。

さまざまな健康レベル

病気と健康の2つだけ―現代医学の立場

今、皆さんが、慢性疲労や偏頭痛・微熱などの不調を感じて病院に足を運んだとします。病院では、まず尿検査や血液検査・レントゲンなどのさまざまな検査を受けることになります。医師はその検査結果に基づき、あなたがどのような病気であるのかを判断しようとします。もし検査結果に異常がなければ、取り立てて病気はないと言われます。あなたがどれだけ不調を訴えても、検査結果に異常がないかぎり治療の必要はないと診断され、相手にしてもらえません。

実はここに、現代医学の「健康観」が端的に示されているのです。検査値に異常が見られたときのみ病気と考え、そうでないときには健康であるとするのです。こうした現代医学の健康観に従うかぎり、どのような人間も、健康か病気のいずれかに属することになります。「健康人」か「病人」かの2種類の人間しかいないことになります。

しかし実際には、検査に異常がなくても、病気が進行していることもあります。健康診断や人間ドックで異常なしと言われた人が、数カ月もしないうちに急死するようなことがたびたび起こっています。“突然死”で命を落とした人の中には、直前まで自分は健康であると信じていたというようなケースが多く存在するのです。

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