【歌詞】
トロ:
静かな月明かりの下で
仏の教えが風に舞う
心に深く刻み込む
優しき言葉、響く夜
サビ:
自分だけじゃ救えない
他者のために手を差し伸べて
法の光、広げていこう
真の道を共に歩もう
マハーナーマは仏陀の前にひざまずき、深く頭を下げて言った。
「世尊よ、どうか教えてください。自分を安らかにしながら、他を安らかにできない優婆塞とはどのような者なのでしょうか?」
仏陀は、穏やかな眼差しをマハーナーマに向け、静かに口を開いた。
「マハーナーマよ、自分だけが戒を守り、他者にはそれを勧めない者のことです。自分だけが布施を行い、他者に布施を教えようとしない者も同じです。仏法の教えを深く観察し、法に近づこうとしても、それを他に伝えることなく、自分の内に留めてしまう者。こうした者を指して、自分を安らかにすることはできても、他を安らかにできない優婆塞と呼ぶのです」
マハーナーマは静かにうなずいたが、さらに問いを重ねた。
「では、世尊よ、真に満足した優婆塞になるためには、どうすればよいのでしょうか?」
仏陀の表情は優しく変わり、まるで月明かりのように、言葉は一層柔らかく響いた。
「まずは信を持ち、正しい智慧によって心に信を起こすことです。信じる心があれば、戒を守ることも布施を行うことも可能です。そして、他の人々にもそれを勧めなさい。道場に赴いて説法を聞くときも、自分だけでなく他者にもその教えを伝えるのです。教えを心に深く受け取り、その意味を観察し、法に近づき、法を追い求める。そしてその全てを、他者にも勧めるのです。そうして初めて、真に満足した優婆塞となれるのです」
マハーナーマは仏陀の言葉に深く感じ入り、胸の中に静かにその教えを刻み込んだ。仏陀は続けた。
「もしも、自分だけが正しい道を歩み、他者にその道を示そうとしないなら、それは真の仏道とは言えない。自分のためだけでなく、他者をも安らかにすることが、真の優婆塞の道なのです」
仏陀の言葉は、夜の静けさの中で風のように漂い、マハーナーマの心に深く染み込んだ。そして彼は決意した。自らの修行をさらに高めるだけでなく、その教えを広く人々に伝えることで、真の優婆塞としての道を歩むのだと。