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胎蔵界五仏(たいぞうかいごぶつ)は、仏教の尊像の一種で、密教の世界観を表した両部曼荼羅のうちの1つ、胎蔵曼荼羅の中心に位置する5体の仏のことである。具体的には、大日如来、宝幢(ほうとう)如来、開敷華王(かいふけおう)如来、無量寿如来、天鼓雷音(てんくらいおん)如来を指す。
密教では金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅の2つを最も重視しており、これらを合わせて両部曼荼羅という。これらはいずれも7世紀頃にインドで成立した密教経典に基づいて、密教的世界観、悟りの世界を視覚化したものである。胎蔵曼荼羅は『大日経』の所説に基づいて作られたもので、サンスクリット語の元の意味は「大いなる慈悲から生じた曼荼羅」である。なお「金剛界」と対になる関係で、日本では平安時代以来、天台宗から「胎蔵界」曼荼羅と称され始めるが、原語には「界」(世界)を意味する語は含まれず、語源的には誤った表現である。また本来は慈悲を表すため区切りを意味する「界」を付けるのは不適切であり、正しくは胎蔵生曼荼羅と称すべきである。
胎蔵曼荼羅は全部で12の区画に分かれており、そのうち、中心になる「中台八葉院」には蓮華の中央に大日如来、周囲の8つの花弁には宝幢、開敷華王、無量寿、天鼓雷音の四仏と、普賢、文殊、観自在(観音)、弥勒の四菩薩が位置している。このうち、大日如来と四仏を合わせて胎蔵五仏と呼ぶ。大日如来以外の四仏の位置と方角をまとめると次の通りである。
(右の写真は中台八葉院で、尊像は中央が大日如来、その真上が宝幢如来、以下時計回りに普賢菩薩、開敷華王如来、文殊菩薩、無量寿如来、観自在菩薩、天鼓雷音如来、弥勒菩薩である) なお、日本では胎蔵五仏のみを造形化した古い遺品はほとんど知られない。1980年に再建された、延暦寺の法華総持院東塔には、昭和期の松久朋琳らの作になる胎蔵界五仏が安置されている。
胎蔵界曼荼羅は12の「院」でできています。
「院」と呼ばれる12の区画からなり、曼荼羅には描かれない東西南北の門を守る四大護院を合わせた13の院に414尊が描かれている。
1.中台八葉院(ちゅうだいはちよういん)
大日如来を中心に広がる8枚の蓮の花弁に四如来と四菩薩が描かれている。
2.遍知院(へんちいん)
中央に描かれる三角形の火炎は、すべての如来の智慧を象徴する。
3.金剛手院(こんごうしゅいん)
中心は、大日如来の智慧と人々をつなぐ役割を果たす金剛薩埵。
4.持明院(じみょういん)
穏やかな表情の般若菩薩と忿怒の形相の四明王が描かれる。
5.蓮華部院(れんげぶいん)
観音菩薩が描かれる。その大悲で煩悩を払い、悟りへ導く。別名観音院。
6.釈迦院(しゃかいん)
中心は説法印を結ぶ釈迦如来。釈迦の肉体に宿る徳を象徴する諸尊が並ぶ。
7.文殊院(もんじゅいん)
中心は文殊菩薩。手を広げ、人々に智慧を授け救う姿で描かれている。
8.除蓋障院(じょがいしょういん)
中心の除蓋障菩薩は、煩悩や苦しみなどあらゆる障害を取り除く。
9.虚空蔵院(こくうぞういん)
中心の虚空蔵菩薩は、虚空のように無限の智慧をもち、人々に授ける。
10.蘇悉地院(そしつじいん)
釈迦院と文殊院の対となるように虚空蔵院をふたつに分けたうちのひとつ。
11.地蔵院(じぞういん)
中心の地蔵菩薩は、弥勒菩薩が出現する遥か未来まで人々を教え、救う。
12.最外院(さいげいん)
十二天や異教の神々などが描かれ、内側の諸尊を守る。別名外金剛院。
中央の中台八葉院にはどんな仏がいるの?
大日如来を中央に、四如来、四菩薩が描かれる。如来は、金剛界五仏(五智如来)に対し、胎蔵界五仏という。
四如来:宝幢如来(ほうどうにょらい)、開敷華王如来(かいふけおうにょらい)、無量寿如来(むりょうじゅにょらい)、天鼓雷音如来(てんくらいおんにょらい)
四菩薩:普賢菩薩(ふげんぼさつ)、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、観自在菩薩(かんじざいぼさつ)、弥勒菩薩(みろくぼさつ)
中台八葉院(ちゅうだいはちよういん[1])は、両界曼荼羅の一つである胎蔵曼荼羅の中央に位置する区画。
蓮華の中央に法界定印を結び宇宙の真理をあらわす大日如来が位置し、 四如来(宝幢如来、開敷華王如来、無量寿如来、天鼓雷音如来)と 四菩薩(普賢菩薩、文殊菩薩、観自在菩薩、弥勒菩薩)が周囲の八蓮弁に座す。
大日如来と四如来を合わせて胎蔵五仏と呼ぶ。
諸仏の位置と方角をまとめると次の通りとなる。
東方 | ||||||
宝幢如来 | ||||||
弥勒菩薩 | 普賢菩薩 | |||||
北方 | 天鼓雷音如来 | 大日如来 | 開敷華王如来 | 南方 | ||
観自在菩薩 | 文殊菩薩 | |||||
無量寿如来 | ||||||
西方 |
普賢菩薩(ふげんぼさつ、 梵: samantabhadra [サマンタバドラ]、蔵: ཀུན་ཏུ་བཟང་པོ་ [kun tu bzang po])は、大乗仏教における崇拝の対象である菩薩の一尊。文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍として祀られることが多い[1](参照:釈迦三尊)。法要では四七日の仏とされる。
あらゆる場所に現れ、命あるものを救う慈悲を司る菩薩
普賢とは「全てにわたって賢い者」という意味で、あらゆるところに現れ命ある者を救う行動力のある菩薩です。
文殊菩薩とともに釈迦如来の右脇侍として三尊で並ぶことが多いですが、独尊で祀られる場合もあります。文殊菩薩の智慧とともに修行を司る菩薩として、明晰な智慧で掴み取った仏道の教えを実践していく役割を果たすとされています。また、女性の救済を説く法華経の普及とともに女性に多く信仰を集めました。
ちなみに普賢菩薩から派生した仏に延命のご利益のある普賢延命菩薩があります。
女性守護、修行者守護、息災延命、幸福を増やす増益のご利益があるとされています。また、辰・巳年の守り本尊です。
白象に乗っている姿が一般的です。3つや4つの頭の象に乗っている場合は普賢延命菩薩像の可能性が高いです。
智慧を司る学問の神様として有名な菩薩
正式名称は文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)といいます。「三人よれば文殊の知恵」という格言があるように、知恵の神様として学業向上や合格祈願に有名な菩薩です。モデルとなった人物が存在し、古代インドにあるコーサラ国の首都・舎衛国(しゃえこく)のバラモン階級の者だったといわれています。仏教の経典を書物にまとめる作業などに関わったといわれていますよ。ただし、本来は学問などの知恵を司るのは虚空蔵菩薩であり、文殊菩薩は物事のあり方を正しく見極める力・判断力を意味する「智慧」を司っています。
釈迦如来の左脇侍として普賢菩薩と共に三尊で並ぶことが多いですが、独尊で祀られることもあります。
文殊菩薩(もんじゅぼさつ、梵: mañjuśrī〈マンジュシュリー〉、梵: mañjughoṣa[1]〈マンジュゴーシャ〉、蔵: ‘jam dpal〈ジャンペル〉)は、大乗仏教の崇拝の対象である菩薩の一尊。一般に智慧を司る仏とされる[2]。その他、非人救済などの慈善事業を司るほか、日本の真言律宗では慈母供養の象徴としての一面も重視された。
智慧を司る学問の神様として有名な菩薩
正式名称は文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)といいます。「三人よれば文殊の知恵」という格言があるように、知恵の神様として学業向上や合格祈願に有名な菩薩です。モデルとなった人物が存在し、古代インドにあるコーサラ国の首都・舎衛国(しゃえこく)のバラモン階級の者だったといわれています。仏教の経典を書物にまとめる作業などに関わったといわれていますよ。ただし、本来は学問などの知恵を司るのは虚空蔵菩薩であり、文殊菩薩は物事のあり方を正しく見極める力・判断力を意味する「智慧」を司っています。
釈迦如来の左脇侍として普賢菩薩と共に三尊で並ぶことが多いですが、独尊で祀られることもあります。
智慧明瞭、学業成就のご利益があるとされています。また、卯年の守り本尊です。卯年に生まれた人々の開運、厄除け、祈願成就を助けるといわれています。
左手に剣と右手に経巻を持ち、獅子の上に置かれた蓮華台の上に座るのが一般的です。梵篋、金剛杵を立てた蓮台などを持つこともあります。
法螺はサンスクリット語[dharma– śaṅkha(ダルマ-シャンカ)]の訳語です。 ダルマは法や教え、シャンカは螺貝の事です。 螺貝で作った楽器が良く響き、遠くまで音が届くので、お釈迦様の説法が遠くまで響き渡る様を喩える為に用いたと言われます。 日本では、法螺は山伏や修験者が仏具として用いるのが一般的です。