歓喜天
歓喜天(かんぎてん、Skt:Vināyaka、Gaṇapati、またはナンディケーシュヴァラ Nandikeśvara 歓喜自在天)は、仏教の守護神である天部の一つ。
また、聖天(しょうでん、しょうてん)[1]、大聖歓喜天、大聖歓喜大自在天、大聖歓喜双身天王、象鼻天(ぞうびてん)、天尊(てんそん)。あるいはVināyaka、Gaṇapatiを音写して、毘那夜迦(びなやか)、誐那缽底(がなぱてい)ともいう。
象頭人身の単身像と立像で抱擁している象頭人身の双身像の2つの姿の形像が多いが、稀に人頭人身の形像も見られる。
多くは厨子などに安置され、秘仏として扱われており一般に公開されることは少ない。ガネーシャ(गणेश
ヒンドゥー教のガネーシャ(Gaṇeśa、群集の長)に起源を持つ。ガネーシャはヴィナーヤカ(Vināyaka、無上)、ヴィグネーシュヴァラ(Vighneśvara、障害除去)、ガナパティ(Gaṇapati、群集の主)、またはナンディケーシュヴァラ(Nandikeśvara)とも呼ばれる。ヒンズー教最高神の一柱シヴァ神を父にパールヴァティー(Pārvatī)(烏摩 うま)を母に持ち、シヴァの軍勢の総帥を務めたとされている。
古代インドでは、もともとは障害を司る神だったが、やがて障害を除いて財福をもたらす神として広く信仰された。
ヒンドゥー教から仏教に取り入れられるに伴って、仏教に帰依して護法善神となったと解釈され、ヒマラヤ山脈のカイラス山(鶏羅山)で9千8百の諸眷属を率いて三千世界と仏法僧の三宝を守護するとされる。悪神が十一面観音菩薩によって善神に改宗し、仏教を守護し財運と福運をもたらす天部の神とされ、日本各地の寺院で祀られている。
一般的な抱擁している象頭人身の双身像の場合、頭部に冠を付けている方が十一面観音で、その十一面観音に抱擁されながらも足を踏まれている方が毘那夜迦王とされる。
聖天の名称は、大日如来もしくは観自在菩薩の権化身であるために、歓喜天の本身(大日如来もしくは観自在菩薩)を表すために「聖」の字を用いて聖天としたという。
梵字編集
真言編集
オーム ह्रीः (十一面観世音菩薩の種子[13]) गः(歓喜天の種子[14]) हुं (軍荼利明王の種子[15]) スヴァーハー
オン キリ