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無意識の瞑想

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  • ソンディ・テストで知られる精神医学者のレオポルド・ソンディ(Léopold Szondi)は、フロイトの説いた個人的無意識とユングの説いた集合的無意識の中間に位置する家族的無意識という概念を提唱した。
    ソンディは、精神医学の世界で「運命分析学」という未だに学問的価値を認められてない分野にメスを入れた稀有な存在であった。
    「家族的無意識」とは、先祖の抑圧された意識が子孫の運命に重大な影響を与えるといった考えで、運命が子孫に遺伝していくことを意味する。「親の因果が子に報い」と呼ばれる病気や負債の運命は「強制運命」と呼ばれ、個人の自由意志から生まれる「自由運命」と常に拮抗している。

    しかし、強制運命の支配下に置かれた不幸な人生も先祖のせいだけではない。
    そのような先祖の子孫として生まれてくることにより、過去世でのカルマを解消させられているのだから、よく理解し受け入れた上で、人生を自由運命に傾くよう舵取りをしなければならない。
    カルマの解消には、自分を第三者的に観る行法を身に付けるのが一番である。

  • ソンディは子孫が祖先から先祖代々継承している意識(衝動)のことを『衝動感情(衝動意識)』と呼び、『人間の運命とは選択である』といった。人間は祖先から受け継いだ衝動感情(衝動意識)をベースにして、『結婚選択・職業選択・疾患の選択・死亡形式の選択』という4つの人生の分野で重大な選択をしていくというのがソンディの理論である。

    L.ソンディの運命観には『自分が主体的に選択する要素』と『祖先からの意識・感情によって決定されるという要素』の2つがあり、人間が自分の運命を選択する(選択させられる)要因になる遺伝子には以下の8つの種類があるとした。『運命分析法』という心理テストでは、この8種類の遺伝子の働きの趨勢(強さ)とバランスを知ることができるとされている。

    Sch(自我衝動)……p(存在遺伝子),k(所有遺伝子)

    C(接触衝動)……m(依存遺伝子),d(獲得遺伝子)

    P(感情衝動)……hy(道徳遺伝子),e(倫理遺伝子)

    S(性衝動)……s(攻撃遺伝子),h(情愛遺伝子)

    レオポルド・ソンディの想定した祖先から受け継ぐという無意識は『家族的無意識』と呼ばれており、ジークムント・フロイトの『個人的無意識』よりは広く、C.G.ユングの『普遍的無意識(集合無意識)』よりはその範囲が狭いと考えられている。ソンディの運命分析学を前面に出した深層心理学の究極の目的は、『個人的無意識と家族的無意識と普遍的無意識の経験的・理論的な統合』であった。

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